【評価レビュー】エクスペディション33「難解ながらも良質なストーリーに心打たれるフランス産RPG」【Clair Obscur: Expedition 33】

こんにちは、いくらです。
今回は巷で話題のフランス産RPG『Clair Obscur: Expedition 33(クレールオブスキュール:エクスペディション33)』のクリアレビューです。

売上は3日で100万本、翌週には200万本を突破するなど、インディーゲーム(しかも開発スタジオ初めての作品)としては異例の大ヒットとなっています
SNSには「超面白い!JRPG好きなら絶対やるべき!」「全人類にやってほしい」といった感想が溢れており、私自身めちゃくちゃ楽しませてもらいました。
おそらく、いくらGOTY2025にもランクインすると思います。
ただ万人におすすめできるかといえば…そうじゃないかも。
なのでこの記事ではそういった注意点を交えつつ、実際にプレイして感じた「良かった点」「気になった点」について語っていきたいと思います。
ストーリーの核心には触れないので「まだプレイしていない」「購入するか迷っている」という人にも読んでもらえたら幸いです。
総合評価
総合評価 | |
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ストーリー・世界観 | |
キャラクター | |
サウンド・BGM | |
グラフィック | |
システム・UI | |
ボリューム・やりこみ |
- RPGが好き
- ソウルライクなアクションが好き
- 単純明快なストーリーがいい
- 純粋なターン制コマンドバトルが好き



文字数の関係で本文では割愛していますが、グラフィックも音楽も素晴らしいです!
ゲーム概要


商品名 | Clair Obscur: Expedition 33(クレールオブスキュール:エクスペディション33) |
開発元 | Sandfall Interactive |
ジャンル | リアクティブターンベースRPG |
プレイ人数 | 1人 |
対応機種 | PlayStation 5/Xbox Series X|S/PC |
発売日 | 2025年4月24日 |
クリア想定時間 | 30時間(メインストーリーのみ) |
『Clair Obscur: Expedition 33』(クレールオブスキュール:エクスペディション33)は、フランスのインディーゲームスタジオ「Sandfall Interactive」が開発したリアクティブターンベースRPGです。
本作の舞台はフランスのベル・エポックに着想を得たファンタジー世界となっており、この世界では「ペイントレス」という巨大な女性が年に1度目を覚まします。


彼女は目を覚ますとモノリスに数字を描くのですが、それは呪いの数字であり、その数字と同じ年齢の人々は煙となって消えてしまいます。
呪いの数字は年々小さくなり、数字が「33」に描き換えられるところから物語はスタートします。
良かった点
考察が止まらない!難解だけど先が気になるストーリー
バトルもグラフィックも音楽も素晴らしかったのですが、個人的にはストーリーがめちゃくちゃ良かったです。



ここ数年プレイしたゲームの中では1番心に残りました
特にオープニングの引き込まれ方がハンパないです。
主人公ギュスターヴが元恋人のソフィーに会いに行くところからゲームが始まるのですが、ギュスターヴはとても複雑な気持ちでいます。
なぜなら、その日ソフィーは消滅してしまうからです。


ギュスターヴとソフィーは2人で街を散策し、友人との会話やお祭りを楽しむのですが、ついに”最期の瞬間”がやってきます。
このシーンがとても切なくて…それと同時に「こんな理不尽が許されるのか!?」と怒りと悲しみが一気に押し寄せてきます。



ペイントレス討伐の動機付けとしては、これ以上ない演出です
そしてギュスターヴを含む第33遠征隊が、ペイントレス討伐のため船で出航する…というのがオープニングまでの流れです。


これ以上はネタバレになってしまうので控えたいと思いますが、この先も目が離せない展開となっています。
オープニングがすごく良かったので「最後尻すぼみになったら嫌だなあ」なんて思っていたのですが、全然そんなことないので安心してください。
ただストーリーに関して注意点を挙げるとしたら、本作のストーリーはかなり難解だと思います。(翻訳の問題を抜きにしても)



たぶん1回見ただけで全部理解できる人はほぼいないのでは…?
私もムービーを録画して何回か見直して、やっと理解できました。
でも裏を返せば、それくらい熱中できるストーリーだったということです。毎日続きが気になって仕方なかったですし、特に最後の展開は色々と考えさせられました。
ブログで徹底考察している方もいらっしゃるので、クリア後に読むと面白いですよ。
脳汁ドバドバ!バトルはパリィが超気持ちいい
本作のバトルはJRPGの特徴であるターン制コマンドバトルに、リアルタイムのアクション要素が追加されたものとなっています。


スキルを使用する場合は、画面に表示されるタイミングに合わせてボタンを押します。いわゆるQTEというやつで、これは設定でオートにすることも可能です。


一方、敵のターンでは攻撃に合わせてボタンを押し、回避やパリィを行います。(オート設定不可)





要はペーパーマリオみたいな感じです
敵によって攻撃パターンが違うので、新しい敵に出会ったら「攻撃パターンを覚えながら回避練習→回避が完璧になったらパリィを試す」といった手順で攻略することになります。
難易度やビルドにもよると思うのですが、私がプレイした通常難易度だと「敵の攻撃2発までなら耐えるけど、3~4回くらったらアウト」って感じでした。
なのでめっちゃ死にます。雑魚敵倒すだけで何回もゲームオーバーになります。


でも、このヒリヒリする感じが癖になるんですよね。
プレイヤースキルさえあれば、ボスをノーダメージで倒すことも可能です。
あと回避よりもパリィの方がコントローラーの感触がよくて、全パリィ成功してからのカウンターが超気持ちいいです。脳汁ドバドバ出ます。
ということでターン制コマンドバトルというよりはアクション寄り、しかもほぼソウルライクなので苦手な人はストレス溜まると思います。



「バトルが苦痛なのでやめた」という人がSNSにちらほら
かくいう私も楽しんではいますが「疲れない」と言ったら嘘になります。特に終盤はボス級の敵がその辺にゴロゴロ転がっているので「もうお腹いっぱい…」となりがちです。
万人が楽しめるゲームバランスかと聞かれるとそうではないので、購入前にこの点は抑えておいた方がよいでしょう。
気になった点
ダンジョンのマップがない
「未開の地」というストーリーの設定を忠実に再現するため、本作にはダンジョンマップが存在しません。
個人的に、小型のマップ(画面の端っこに常に表示されるやつ)はなくてもいいと思ってます。


でもさすがにダンジョン全体のマップは欲しい。
本作はオープンワールドほどではないものの、探索できる場所がかなり広いです。なので記憶するにも限界があります。



方向音痴でなくても、たぶん迷います
「最初は真っ白で、歩いたところが埋まっていく」スタイルのマップなら設定的にも問題ないと思うのですが…。


確かに昔のRPGはダンジョンマップなんてなかったですが、それは「分かりやすく限られたフィールドダンジョン」だから可能だったんじゃないかな~と。
本作は美麗なグラフィックゆえに、ぱっと見では行き止まりかどうか判断できない箇所も多々あります。


なので私は見えない壁に向かって突進し、登れるか分からない岩山の段差にひたすら体をこすり付けていました(笑)



宝箱を全部開けないと気が済まないタイプの人は結構キツイかもしれません
メニュー画面が分かりにくい
マップに続きまたUIのお話になってしまうのですが、メニュー画面はかなり分かりにくいです。
特に致命的なのが「どこに何があるのか」が非常に分かりにくい点です。


どんなに見た目が良くても肝心の使いやすさが損なわれては意味がありません。
他が良かっただけに、より残念に思ってしまった点と言えるでしょう。
翻訳が若干不自然なところも
もうこれは海外インディーゲームの宿命とも言えるのですが、ところどころ翻訳で「ん?」となる箇所があります。



ちなみに日本語音声はないので、英語かフランス語から選択します


「全然何言ってるか分からない!」って感じではないのですが、直訳に近く「まあ分からなくはないんだけど、普通はそういう風には言わないよね~」となることが多かったです。
まとめ「ソウルライクに抵抗がなければおすすめ!多くのRPG好きに刺さること間違いなし」


『Clair Obscur: Expedition 33(クレールオブスキュール:エクスペディション33)』をクリアした感想についてまとめました。
気になった点も多いですが、それでも私にとってはお気に入りの一作となりました。



本当に出会えてよかった!
純粋なターン制バトルを好む人には勧めにくいですが、そこさえ問題なければ多くの人が楽しめるゲームなんじゃないかなと思います。
気になった方はぜひプレイしてみてください。