【評価レビュー】Balatro（バラトロ）「トランプに細工し放題！インチキポーカーで高得点を叩き出そう」

こんにちは、いくらです。

先日、ポーカーをもとにしたデッキ構築型ローグライクゲーム『Balatro』の最高難易度「ゴールドステーク」をクリアしました。

ただ実際にプレイして「これはどうなの？」と思った箇所もあったので、そういった注意点にも触れつつレビューをしていきたいと思います。

総合評価

総合評価
ストーリー・世界観	なし
キャラクター
サウンド・BGM
グラフィック
システム・UI
ボリューム・やりこみ

ゲーム概要

ポーカーとローグライクが融合されたBalatroは、満足度いっぱいのデッキビルダーゲームです。違法ポーカー・ハンドを出して、ゲームチェンジャーのジョーカーを発見して、アドレナリン全開の強烈コンボを繰り出しましょう！
ユニークなジョーカーカードでシナジーやビルドを作って、強い役を組み合わせましょう。隠れボーナスハンドやデッキを発見して、たくさんチップを稼いで、ウザいブラインドをやっつけましょう。ボスブラインドに到達するには、様々な戦略が必要です。最終アンティにも負けずに、勝利をものにしましょう。
My Nintendo Store『Balatro』

商品名	Balatro
開発元	LocalThunk
ジャンル	デッキ構築型ローグライク
プレイ人数	1人
対応機種	Nintendo Switch/PlayStation 4/PlayStation 5/Windows/Xbox One/Xbox Series X|S/iOS/Android
発売日	2024年2月21日 （Nintendo Switch/PlayStation 4/PlayStation 5/Windows/Xbox One/Xbox Series X|S） 2024年9月26日 モバイル版（iOS/Android）

『Balatro』はカナダを拠点に活動するLocalThunk氏が開発したデッキ構築型ローグライクゲームです。ポーカーをもとにしたゲームではあるのですが、一般的なポーカーとは異なる点が大きく分けて2つあります。

それは「対戦相手がいない」「トランプに細工ができる」という点です。

普通のポーカーでは相手よりも強い役を作れば勝ちですが、本作では決められたハンド数だけ役をプレイし、ハンドを使い切る前にスコアの合計が基準を超えればブラインド（ラウンド）クリアとなります。

役ごとにチップと倍率が決められているのですが、トランプに細工する（詳しくは後述）ことでチップや倍率をいじることができ、プレイで獲得できるスコアはチップと倍率の乗算で決定します。

1つのアンティ（ステージ）は「スモールブラインド」「ビッグブラインド」「ボスブラインド」の3ラウンドで構成されており、ボスブラインドをクリアすると次のアンティに進みます。

序盤はそこまで苦労しませんが徐々に要求されるスコアが上がっていき、最終的には（1番易しい難易度で）10万まで吊り上げられるので、あの手この手でスコアを伸ばす必要があります。

アンティ8をクリアするのがこのゲームの目標であり、失敗すると最初からやり直しとなります。

良かった点

多彩なジョーカーを組み合わせてシナジーを発揮できたときが最高に気持ち良い

このゲームでは山札のトランプとは別に、特別な効果を持つ「ジョーカー」をセットすることができます。

ジョーカーは全部で150種類あるので全ての効果は説明できないのですが、ここでは一例を挙げたいと思います。

まずは「クラフティジョーカー」。

これは出した役がフラッシュを含むときにチップを80加算する効果があります。

フラッシュを含めばいいので、ストレートフラッシュの場合もこの効果は発動します。

次に「フォーフィンガー」。

これはフラッシュやストレートを4枚で作ることができるようになる効果があります。

例えば「♥K/♥J/♥7/♥4」でフラッシュとみなすことができる他、「♥10/♥9/♣8/♥7/♥2」のような組み合わせでストレートフラッシュとみなすこともできます。

そして察しのいい方はお気付きかと思いますが、「クラフティジョーカー」と「フォーフィンガー」を組み合わせることで獲得できるスコアが跳ね上がります。

限られたハンド数で要求スコアまで到達するには、このようにジョーカーを組み合わせてシナジーを発揮する必要があります。

そしてそれがうまくいくときは大抵スコアが基準を大きく上回ることになるのですが、そのときにチャリンチャリン音が鳴って炎が燃え上がる演出が入ります。

これが最高に気持ち良いのです。

ジョーカーをセットできるスロットは基本5つとなっているため、この5枠をどう使うかが腕の見せ所です。

もちろん狙っているジョーカーがショップに並ぶとは限らないので、その時々で柔軟に対応することも大切です。

惑星カードやタロットカードで加速するデッキ構築

獲得スコアを増やす方法はジョーカーだけではありません。

ジョーカーと違って使い切りのカードにはなりますが、役を強化できる「惑星カード」や、様々な効果を発揮する「タロットカード」が存在します。

惑星カードはフラッシュやストレートといった役のレベルを上げることができます。レベルが上がるとその役で得られるチップや倍率が上昇し、その役のプレイで得られるスコアがアップします。

先ほどフラッシュ特化のジョーカーの組み合わせを紹介しましたが、惑星カードでフラッシュのレベルを上げておけばさらなるスコアの上昇が期待できます。

またタロットカードはトランプの強化や破壊、スーツの変更など直接デッキの内容に影響を及ぼすものが多いです。

トランプの強化でいえば、プレイするとチップが30追加される「ボーナスカード」、プレイすると倍率が4追加される「倍率カード」、どのスーツとしても使える「ワイルドカード」などがあります。

さらに不要なトランプを破壊したりスーツを変更したりすることで、「スーツが2種類（スペードとクラブのみ）しかない」なんて夢のようなデッキを作り上げることも可能です。

これを現実でやったらとんでもないことになりますが、ゲームだからこそできる細工にワクワクが止まりません。

高難易度クリアやコレクションなどやりこみ要素が盛りだくさん

冒頭でも少し触れましたが、本作は難易度（ステーク）選択が可能です。

難易度は全部で8つ存在し、難易度が上がるごとに「クリアに必要なスコアが増える」「摩耗マークの付いたジョーカーがショップに並ぶ」などこちらに不利な条件がどんどん追加されていきます。

かなりストレスのかかる挑戦ではあるので（笑）手放しでおすすめはできませんが、最高難易度のゴールドステークをクリアしたときの快感は忘れられません。

また私はやっていないのですが「ゴールドステークをクリアしたとき所持していたジョーカーに貼られるステッカーを全部のジョーカーに貼る」という頭のおかしい実績も存在するので、実績コンプ厨の方はぜひ。

注意点

翻訳のニュアンスでカード効果が分かりにくい箇所がある

海外のインディーゲームあるあるではありますが翻訳に少し難があります。

アップデートによりだいぶマシになったとは言われていますが、正直なところもう少し頑張ってもらいたい。

というのも「言い回しがちょっと変」だけなら全然許容できるのですが、カード効果の説明が分かりにくいと勝敗に影響してしまうので困るんですよね。

例えばこの「グラバー」。

バウチャーと呼ばれるいわばプレイヤー自身の強化アイテムみたいなカードなのですが、説明には「ラウンドごとに永久的にハンド＋1を得る」と書いてあります。

「ラウンドを重ねていくごとに役をプレイできる回数が増えていくのめっちゃ強いじゃん！！」と勘違いしてしまいますが、実際はハンド数が無限に増えていくわけではなく1回増えて終了です。

まあハンドが無限に増えたら簡単すぎるので当然といえば当然なのですが、こんな感じで解釈に頭を悩ませてしまうカードがちらほらあります。

1つのミスが命取りになるローグライクゲームで「カードの効果を誤って解釈してしまったが故に失敗」なんて悲しすぎます。

ちなみにXbox版は翻訳の域を超えて文字化けが起こっているようです（2024年12月時点）。
直近のアップデートで一応プレイできるレベルにはなったらしいですが、可能なら別ハードにした方がよさそうですね。

まとめ「強力なコンボで脳汁が溢れ出る、非常に中毒性の高いゲーム！翻訳は今後のアップデートに期待」

デッキ構築型ローグライクゲーム『Balatro』をクリアした感想をまとめました。

“The Game Awards 2024”で3部門受賞という実績もあり面白さはお墨付きです。

正直現状の翻訳は残念な仕上がりになっていますが、アップデートでどんどん良くなっているのでいずれはこの不満も解消されることでしょう。

「なんだか悪いことをしている」ような背徳感もありつつ、細工しまくったトランプで強力なコンボを決める瞬間は脳汁が溢れ出します。

ジョーカーやデッキの構築が嚙み合えば1ハンドで1億点越えも夢ではありません。

少しでも気になった方はぜひプレイしてみてください。